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運動生理学について分かりやすく解説 筋トレなどで体はどのように変化する?

2023.06.17

トレーニングや運動を行うと、私たちの体には一時的または長期的な変化が生じます。筋肉の増強、心血管機能の向上、代謝の促進など、さまざまな面で効果が現れます。このような運動による変化を研究する学問が運動生理学です。本記事ではこのような運動生理学の基本原理を分かりやすく解説し、トレーニングによる体の変化について詳しく解説します。私たちの体が運動によってどのように変化するのか、一緒に見ていきましょう。

 

目次

1.運動生理学とは?

 1-1.運動生理学の概要

2.運動生理学と各身体部位の関係

 2-1.運動生理学と各身体機能の関係

3.トレーニングで体はどのように変化する?

 3-1.トレーニングによる変化

 

 

1.運動生理学とは?

運動生理学とはどんな学問でしょうか。ここでは、運動生理学の概要や内部分野、運動生理学が個人レベル・社会レベルでどう役立つかについて詳しく説明します。

1-1.運動生理学の概要

・運動生理学とは

運動生理学とは、運動やトレーニングによって体がどのように変化するのかを研究する学問分野のひとつです。私たちが身体を動かして運動をすると、筋肉・心臓・血液循環などにさまざまな身体的変化が生じます。
運動生理学の研究では、酸素摂取量・心拍数・血液中の乳酸濃度・筋肉の活動・エネルギー代謝など、さまざまな指標を用いて身体の反応を測定します。また身体的な変化だけでなく、神経伝達やホルモンの働きなど生理学的なメカニズムも探求します。
運動生理学は運動によって起こる身体的変化を理解し、その発見を日々の生活・健康維持やスポーツパフォーマンスの向上に活かすことを目的としています。

・運動生理学の分類

運動生理学の分野は内部でさらに2つに分類され、「動物系」と「植物系」に分けられます。動物系は筋・神経、植物系は呼吸・循環・代謝を専門とします。動物系は運動のパフォーマンスに関連し、植物系は運動の維持に関連した内容です。
運動生理学を学ぶメリット
運動生理学を学ぶことで得られる個人レベルのメリットは、トレーニングの効果を最大化するための知識を得られることです。適切な運動の種類・強度・頻度・期間などを理解することで、自身の目標に応じたトレーニングプログラムを設計することが可能になります。
また運動生理学の知識は、スポーツパフォーマンスの向上にも役立ちます。筋力・持久力・柔軟性などの要素について理解して、適切なトレーニングや栄養戦略を選択することで、競技に必要な能力を向上させることができます。

・運動生理学の社会的意義

運動生理学は、一般の健康管理と疾患予防に役立ちます。運動がどのように健康に関与するのか、健康を維持するためにどのような運動をすると良いのかを解明することができます。運動生理学を研究することで、体重管理・血圧コントロール・骨密度の維持・糖尿病や心血管疾患などの病気の予防が可能になります。
また運動生理学は、怪我の予防やリハビリテーションの分野にも役立ちます。特定の運動やトレーニングがどのようにケガのリスクを減らし、また回復を促進するのかを科学的に理解することができます。運動生理学は、怪我の予防や回復においても重要な役割を果たします。

 

 

2.運動生理学と各身体部位の関係

運動生理学の話をする上で、各身体部位への理解は必須です。ここでは運動生理学が取り上げる身体部位として、筋肉・関節と骨・神経について簡単に説明します。

2-1.運動生理学と各身体機能の関係

・筋肉

筋肉は骨格の動きを制御する役割を果たしています。筋肉は神経系の指令に従って収縮し、関節を動かす力を生み出します。この収縮と弛緩の連続的な動作により、体の各部位の運動が可能となります。

また筋肉は、運動に必要なエネルギーを生産します。筋肉内のミトコンドリアが酸素を利用してグルコースを分解し、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー源を生成します。このATPは筋肉収縮に必要なエネルギーとして利用されます。

・関節と骨

関節と骨は身体の骨格を形成し、トレーニングの動きの支柱となります。骨は身体の骨格を形成し、内部の臓器や組織を保護する役割を担っています。また筋肉の接合部として機能し、運動や姿勢をサポートします。

関節は骨同士を結びつける組織であり、骨格の可動を可能にします。骨同士の接触面を減らし摩擦や衝撃を軽減することで、身体の滑らかな動きを提供します。

・神経系

神経は筋肉や関節を制御し、運動能力に必要な情報を伝達する役割を担っています。神経系は中枢神経系と末梢神経系の2つに大分されます。中枢神経系は脳と脊髄に存在します。末梢神経系は中枢神経系以外の神経系を指し、臓器や手足に存在します。
中枢神経系の一部である脳や脊髄では、運動の意思決定やどのように身体を動かすかの決定が行われます。運動の指令を受けた末梢神経系では、筋肉の収縮や弛緩の調整が行われます。

 

 

3.トレーニングで体はどのように変化する?

トレーニングによって身体機能は変化します。ここではトレーニング後に身体がどのように変化するのかを、筋肉・呼吸・心拍・代謝・疲労状態に的を当てて、運動生理学的観点から説明します。

3-1.トレーニングによる変化

・筋肉の変化

トレーニングをすることで筋肉には変化が生じます。筋肉量の増加・筋力の向上・筋持久力の向上などが挙げられます。

トレーニングをすると筋肉量が増加します。トレーニングによる刺激により筋肉の繊維が収縮・破損し、修復される過程で筋肉が成長します。特に抵抗トレーニングや重量挙げなど、高強度の負荷をかける運動は筋肥大を促す効果があります。
トレーニングにより筋肉が成長することで、筋力の向上も見られます。筋肉繊維のサイズや数が増加し、筋肉がより強力に収縮できるようになります。これにより、日常生活の動作やスポーツパフォーマンスにおいて、より効率的で強力な力を発揮できます。トレーニングにより筋肉がエネルギーをより効果的に利用するようになるため、筋持久力も向上します。長時間の運動や反復的な動作を行う際でも筋肉が疲れにくくなり、より長く持続することができます。

・呼吸の変化

トレーニングによる変化のひとつとして、呼吸に関する変化があります。トレーニングを行うと呼吸数と肺活量が増加し、呼吸も深くなります。呼吸数は、運動による身体活動の増加に応じて増加します。これは酸素の取り込み量を増やし、二酸化炭素の排出を効率的に行うための反応です。
またトレーニングによって、肺活量も増加します。肺活量は、1度の呼吸で取り込む空気の量を指します。肺活量が増加することで酸素の摂取量が増えます。これにより体内の組織や筋肉に、酸素がより効率的に供給されるようになります。
さらに運動中は、身体に必要な酸素を取り込むために呼吸深度も深くなります。呼吸深度が深くなることにより呼吸時により多くの酸素を吸い込み、体内の酸素供給を増やします。

・心拍の変化

トレーニングによる心拍の変化は、運動生理学の中でも重要な要素です。運動生理学では、トレーニングによって心拍の増加・心拍数の回復の加速・安静時の心拍数の低下が見られるとされています。
トレーニングを行うと心拍が増加します。心拍数は心臓が1分間に拍動する回数を表す指標であり、運動の強度や負荷によって変化します。運動を始めると、筋肉の収縮に必要な酸素や栄養を体全体に送り届けるために、心臓はより多くの血液を体に循環させる必要があります。心臓はより速く拍動することで血液の循環量を増やし、酸素や栄養素を効率的に運びます。
またトレーニングによって、心拍数の回復が速くなります。運動後の心拍数がより早く元の安静時のレベルに戻ることは、心臓の回復力が向上していることを示します。これは酸素供給や老廃物の排出などのプロセスが効率的に行われることを意味し、運動による回復力の向上を示唆します。
さらにトレーニングを積むと、安静時の心拍数が低下する傾向があります。その理由は、トレーニングによって心臓がより効率的に血液を送り出すようになり、一回の心拍でより多くの血液を体に供給できるようになるためです。心拍数が低下すると心臓にかかる負担が減り、心血管系の健康維持にもつながります。

・代謝の変化

トレーニングによる変化のひとつとして、代謝の変化もあります。代謝は、私たちの体内でエネルギーを生成し物質を合成・分解するプロセスの総称です。トレーニングによる代謝の変化には、エネルギー消費の増加・エネルギー利用の効率化・脂肪燃焼の促進などがあります。
トレーニングにより、筋肉の収縮や運動に必要なエネルギーが増加します。また基礎代謝率(静止状態でのエネルギー消費量)も上昇し、トレーニング後もより多くのカロリーが消費されるようになります。
トレーニングをすると、エネルギー利用の効率化も図れます。エネルギー生産の中心であるミトコンドリアの数や機能が向上します。これにより酸素利用効率が向上し、エネルギーの生成がより効率的に行われます。
また有酸素運動や持久トレーニングは、脂肪の代謝を促進します。適切な強度と長さのトレーニングを行うことで、脂肪を効率的にエネルギーとして利用する能力が向上します。これは体脂肪の削減や体重管理に役立ちます。

・疲労の変化

トレーニングを行うと疲労状態も変化します。疲労は、トレーニングで身体へ負荷がかかった結果として生じる一時的な状態です。運動による疲労には、筋肉疲労・中枢疲労があります。トレーニングによって筋肉は疲労します。この理由は、筋肉の糖質の消耗・乳酸の蓄積・神経伝達物質の低下などによるものです。筋肉疲労は、筋力や持久力の低下や筋肉のパフォーマンスの減少を引き起こします。
トレーニングや運動は中枢神経系にも負荷をかけます。長時間の運動や高強度のトレーニングにより中枢神経系が疲労すると、運動制御や認知機能の低下を引き起こすことがあります。中枢神経の疲労は、反射の鈍化や集中力の低下などとして現れます。

 

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