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スポーツ心理学とは?学ぶメリットや関連する資格、活用方法を解説

2023.08.07

スポーツ心理学は、スポーツに関わる人たちのメンタルを研究する学問です。スポーツと心は関係深いといわれ、欧米などでも研究が進んでいます。今回は、スポーツ心理学の重要性や学ぶメリット、取得できる資格と職業についてご紹介いたします。スポーツ心理学に興味がある方に役立つ情報になるはずです。

 

目次

1.スポーツ心理学とはどんな学問?

1-1.スポーツ心理学の歴史

2.スポーツ心理学を学ぶ目的と重要性

3.スポーツ心理学を学んで得られる技術

3-1.モチベーションやパフォーマンス向上
3-2.気持ちのコントロール
3-3.集中力を高められる
3-4.ストレス管理できる
3-5.イメージトレーニング
3-6.最適な目標を決める
3-7.高い専門知識が身に付き、スポーツ関係の仕事に就ける

4.スポーツ心理学の現状と期待

5.スポーツ心理学に関連する資格

5-1.メンタルトレーニングスペシャリスト
5-2.JTA公認スポーツメンタルトレーナー
5-3.スポーツメンタルトレーニング指導士
5-4.メンタルトレーニング検定
5-5.スポーツメンタルコーチ

6.スポーツ心理学を活かした職業

6-1.スポーツカウンセラー
6-2.大学の教員
6-3.スポーツリハビリ療法士
6-4.保健体育の教員
6-5.アスレティックトレーナー

 

 

1.スポーツ心理学とはどんな学問?

スポーツ心理学とは、心の状態がスポーツの過程や結果に及ぼす影響を研究する学問です。スポーツパフォーマンス向上やより良い指導をするため心理学の研究が役立ちます。心とスポーツの関係は深いと言われており、これまで幅広い研究が日本だけではなく、欧米中心に行われています。特に、スポーツが日常生活に与える影響の研究は盛んです。心と精神に関わる難しい学問ではありますが、スポーツの過程や結果、能力向上に心と精神はどう関わっているのかを明らかにする学問といえます。

1-1.スポーツ心理学の歴史

スポーツ心理学は1920年頃から欧米で研究が始まったとされ、昔から存在する学問です。1950年頃に旧ソ連で心理学を利用したトレーニング指導をスポーツ選手に活用してから、知名度がさらに広がったとされています。
日本では、第二次世界大戦後にスポーツ心理学の研究が始まり、日本体育学会の設立や国際スポーツ心理学会が発足し、少しずつ心とスポーツの関係性に注目されていきました。

 

 

2.スポーツ心理学を学ぶ目的と重要性

先ほども述べましたが、スポーツする上で選手の心理状態がプレイに大きく影響を及ぼします。具体的には、競技中イライラすれば雑なパフォーマンスになり、緊張や怖さを感じると練習の成果を出せなくなる可能性があります。これは、多くの選手が経験することであり、プロもアマチュアも同じです。試合では大勢の人が見ていて、結果を出さないと練習の意味がなくなるなどの心理がイライラや緊張、不安につながります。ネガティブな感情は、自律神経にも影響を与え、身体の動きが鈍ってしまうのです。

この問題を解決するため、メンタルトレーニングを行って自分の思考をコントロールできる技術を身に付けることも重要です。試合の緊張感を失くすためにも思考をコントロールできるようになれば、試合でも積極的なプレイにつながることが期待できます。

 

 

3.スポーツ心理学を学んで得られる技術

スポーツ心理学を学べば、下記のような技術の習得が期待できます。

 

3-1.モチベーションやパフォーマンス向上

選手の心理を分析して、モチベーションやパフォーマンスを意図的に向上できる可能性が高まります。たとえば、試合前の選手に意欲を上げる声掛けをするとき、選手一人ひとりによって意欲を掻き立てる声掛けは異なります。スポーツ心理学を学び、選手の心理を分析する力が付けば選手一人ひとりに最適な声掛けが可能になるでしょう。また、緊張している選手にも的確な声掛けをすることで、実力を発揮させるきっかけになります。

また、選手自身がスポーツ心理学を学ぶケースも増えています。自分でモチベーションやパフォーマンス向上につながる分析力が付けば、大いに役立つでしょう。

3-2.気持ちのコントロール

スポーツ心理学の知識を選手自身が得れば、自分の心理状態を分析できるようになります。たとえば、「怒ると雑なプレイになる」、「相手に萎縮してしまうと実力が出せない」、「勝ちたい気持ちが高まると実力以上の力が発揮できる」などが理解できるようになるでしょう。また、練習や試合後には肉体と精神的に疲労が溜まりますが、これらもコントロールできるように心に余裕を持つ必要があります。

3-3.集中力を高められる

時間がかかる試合は、次第に集中力が途切れていく可能性が高いです。試合中、いつも集中力を最大にしておくには難しいでしょう。大事な場面で実力を充分発揮させるためにも、集中力をコントロールできる技術が重要です。

3-4.ストレス管理できる

スポーツ選手が感じるストレスは、私生活関係のものもあります。私生活でストレスを感じていると、試合や練習に集中できなくなる方もいるでしょう。パフォーマンス低下にもなりかねないストレスの管理は、スポーツ選手にとって大切です。なるべくストレスを感じない状況を作り、心に余裕を持つことが不可欠といえるでしょう。

3-5.イメージトレーニング

イメージトレーニングとは、頭でしたい行動を具体的にイメージするトレーニング方法です。試合で自分がどのようなパフォーマンスをするかを頭の中でイメージできれば、試合展開が優勢になる場合があります。他にも、動画でプレイを見るのも効果的でしょう。頭の中で事前にイメージしておくと大事な試合の心構えができ、リラックスして試合に臨める効果が期待されます。心構えができていれば、モチベーションが上がって素晴らしいパフォーマンスや集中力、実力以上のプレイに繋がることも報告されています。ただ、イメージトレーニングの効果はすぐ出るわけではありません。継続すればおのずとできるようになるでしょう。

3-6.最適な目標を決める

プロのスポーツ選手やオリンピック選手の多くは目標設定を的確にすることで、より良い結果を残しているといえます。目標を設定して達成するためにトレーニングをしていく中で、最適ではない目標を定めると運動能力を上げるのは困難です。練習を重ねた結果目標達成できれば今後のやる気の向上にもつながり、メンタルも強くなっていくことが見込まれるでしょう。このように、最適な目標設定が勝敗を左右します。最適な目標設定がトレーニング内容を明確にして無駄な時間やコストの削減できれば、短期間で目標達成が可能になります。

3-7.高い専門知識が身に付き、スポーツ関係の仕事に就ける

スポーツ心理学は、スポーツに関わる人たちのメンタルをケアして、大事な場面で素晴らしいプレイができるようサポートする学問です。それゆえ高度な専門知識が必要となり、習得すればメンタルケアの専門家になることが期待されます。高い専門知識を身に付けられれば、その知識を活かしてスポーツ関係の仕事に就けるはずです。

 

 

4.スポーツ心理学の現状と期待

スポーツ心理学の研究は発展しつつありますが、まだ未解明な部分も多いのが現状です。スポーツ心理学で解明されているのは、選手の心理状態が生み出す結果です。たとえば、「緊張すると身体が固くなって実力が出せない」「イライラすると粗末なプレイになる」などです。これらの問題を解決するのが困難なため、スポーツ心理学が多くの人に使われるまで至っていません。

また、高齢化社会の日本において、医療費の負担の増加などさまざまな課題に直面しています。ただ長生きするのではなく、健康な人生を生きることが重要視され、スポーツは健康を目指すための大きな役割を担っています。このような社会問題を解決するためにも、スポーツ心理学の今後の発展がますます期待されるでしょう。

 

 

5.スポーツ心理学に関連する資格

スポーツ心理学を学べば、下記のように心のスペシャリストを目指せるでしょう。

5-1.メンタルトレーニングスペシャリスト

心理的な課題(緊張や不安など)を自分自身で乗り越えるためのサポートを行うため、メンタルに関するスキルを学びます。適切な目標設定、分析力、リラックス、イメージトレーニング、自己コントロールなどを身に付け、目標達成に導くスペシャリストです。スポーツ業界以外にも、医療、教育の現場で注目されている心の専門家です。

5-2.JTA公認スポーツメンタルトレーナー

スポーツ選手のベストパフォーマンスを引き出すため、精神面からサポートしてモチベーション向上などにつなげる職業です。心理的にコントロールするための専門的な知識を身に付け、大事な試合で実力発揮する方法を科学的根拠に基づいて学べます。緊張しやすい、注意力散漫になりやすいといったケースの対処法を学び実践に活かします。
日本トレーナーズ協会(JTA)の認定コースを受講し卒業すると、公認スポーツメンタルトレーナーの資格が取得できます。

5-3.スポーツメンタルトレーニング指導士

日本スポーツ心理学会が認定している資格であり、スポーツ心理学会に2年在籍しスポーツ心理学か関連する学問を研究して修士号を大学院で得た人が受験できます。さらに、選手へ心理的な指導や関連する研修に参加する必要があります。受験資格を得るまでかなりレベルが高い資格のため、資格取得できたら業界に影響力を与える人材となるでしょう。合格すると、スポーツメンタルトレーニング指導士として日本スポーツ心理学会の名簿に記載され、メンタルトレーニングの専門家としてスポーツ業界に携われます。

5-4.メンタルトレーニング検定

一般社団法人日本メンタルトレーナー協会が運営する検定で、一定の条件を満たせば検定を受けられます。運動能力向上、目標達成、良い結果を出すプロセスに関わる知識やスキルをどの程度持っているか検定します。メンタルトレーニング検定を学べば、脳科学や生理学、栄養学、行動科学、脳科学などの研究を生活の中に取り込み、より良い人生にするのに役立つでしょう。

5-5.スポーツメンタルコーチ

Re-Departureという企業から認定されると得られる資格です。さまざまなスポーツ選手に心理的指導でサポートし続け、実績と知名度が上がっています。これまで専門的な勉強をしてこなかった人でも取得が目指せます。スポーツ業界に興味があるが、業界未経験の人でもこの資格を取得すればスポーツ関係の仕事に関われる可能性はあるでしょう。

 

 

6.スポーツ心理学を活かした職業

スポーツ心理学で培った知識を活かせば、下記のような職業を目指せるでしょう。

6-1.スポーツカウンセラー

スポーツ選手をカウンセリングでメンタルケアを行い、最高のパフォーマンスができるようサポートする職業です。選手から信頼される関係を構築し、選手の心のうちを聞き出すためにスポーツ心理学の知識が役立ちます。選手自身が課題と向き合い、解決できるよう精神面から支えていきます。選手に安心感を与えるスポーツカウンセラーになれば、パフォーマンスの向上を目指すきっかけになる可能性があります。

6-2.大学の教員

大学でスポーツ心理学に関わる学問を教え、スポーツ心理学の発展に貢献するのが大学教授です。スポーツ心理学の専門性や仕組みなどに精通した大学教授は、スポーツ心理学の最先端で研究できる見込みがあります。大学教授になれる人は少ないといえますが、生徒へ指導、研究に魅力を感じる人は多いでしょう。

6-3.スポーツリハビリ療法士

スポーツ選手が練習や試合中にけがをしたとき、精神的なケアを行います。選手生命を脅かすほど大きなけがを負った場合、メンタルにも悪影響を与える可能性があります。スポーツリハビリ療法士は、けがから回復するまでしっかりメンタルのケアを行わなければいけません。

6-4.保健体育の教員

学生たちにさまざまなスポーツの授業を行ったり、人間の体について詳しく教えたりする教員です。おうち時間の増加、習い事、オンライン授業などの広がりで外遊びをする子供たちが減少している日本で、体を動かす楽しさと健やかな体に成長するサポートをする役割があります。また、部活動の顧問として活躍する人もいます。大学や短大で保健体育の中学校教諭か高等学校教諭の免許状を取得して、教員採用試験に受かる必要があります。

6-5.アスレティックトレーナー

選手のけが防止やけがの応急処置、リハビリ、体調管理など医療ケアができる仕事です。選手が安全にスポーツに取り組むために大切な役割を担っています。日本体育協会認定の公認アスレティックトレーナー「JASA-AT」と、ジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会認定のアスレチック・トレーナー「JATAC-ATC」の2つがあり、どちらも民間資格で仕事に必須である定めはありません。近年、スポーツ選手とトレーナーはセットで行動することが多く、選手の支えの一員として貢献しているアスレティックトレーナーも少なくありません。医療の専門知識を選手に還元して、選手の競技人生が安全に送れるようサポートする非常に重要な職業なのです。

 

 

いかがでしたでしょうか。東京スポーツ・レクリエーション専門学校は、様々なスポーツ分野に関わる多種多様な職業に就職し、活躍していくことができる、スポーツに特化した専門学校です。

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